ツリガネソウは、釣り鐘のような花を咲かせ、別名を「カンパニュラ」ともいいます。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に登場する主人公ジョバンニの友人の名前が「カムパネルラ」ですが、「カンパネルラ」と言わないのはどうしてでしょうか。
調べると昔は、「mp」や「mb」のつづりを訳す時に「ン」でなく「ム」としたからなのだそうです。
「tempo」は「テムポ」、「olympic」は「オリムピック」、「combination」は「コムビネーション」と表記して、発音する時は「ン」と読むのが正しいのだそうです。
さて、今回は昔風に書くとカムパニュラになる「ツリガネソウ」のご紹介です。
ツリガネソウ(釣鐘草)とは?
ツリガネソウは、おもに地中海沿岸を原産とするキキョウ科ホタルブクロ属の植物から改良された園芸品種の総称で、一般に「カンパニュラ」と呼ばれることが多くあります。
ツリガネソウの仲間は、北半球の温帯から冷帯の広い範囲に300種以上が分布します。
栽培されている多くの種は毎年花を咲かせる多年草ですが、1、2年草のものもいくらかあります。
ツリガネソウの開花時期は、晩春から夏にかけてがほとんどで、釣り鐘のような形をした3~8センチぐらいの花を咲かせます。
花の色は、多くが青や紫や白で、ピンク色のものもまれにあります。草丈は、30センチから2mメートルのになるものまで様々で、ロゼット型の根生葉があるのが特徴です。
ロゼットとは、地表に葉が放射状に地中から直接出ている植物の状態をいいます。
根生葉(こんせいよう)とは、根出葉(こんしゅつよう)ともいって、地上に出ている茎の基部に付いた葉のことをいい、地中の根から葉が生えているように見えるのが特徴です。

ツリガネソウの花言葉
ツリガネソウの花言葉は、「感謝」「誠実」「節操」です。
ツリガネソウは、ラテン語で鐘を意味する「campana」に由来して、学名の「Campanula spp.」が付き「カンパニュラ」と呼ばれます。
花言葉は、ツリガネソウの釣り鐘のような形の花が、教会の鐘を連想させることから付けられたとされています。
ツリガネソウの育て方
ツリガネソウは、春から秋までの時期は、土の表面が乾いたらタップリと水やりをします。
水が多すぎると蒸れて傷んでしまいますので注意が必要です。冬は、あまり生長しないので乾燥気味に管理をします。
冬の水やりの注意点として、夕方に水を与えると朝に水が凍って根を傷めるおそれがあるため、冬の水やりは朝方に行うようにします。
ツリガネソウは、日当たりと風通しの場所で育てます。
ツリガネソウは、日陰では花を咲かせないので注意が必要ですが、高温多湿を嫌う性質があるため、地植えにする場合は真夏の強い日差しが当たる場所は避けるようにします。
ツリガネソウは耐寒性があるので、霜が降りる地域でも地植えで越冬もできます。
ただし、土が凍るほど寒い場合は枯れてしまいますので、地面が凍らないような場所で管理するか、室内に取り込むようにします。